模試情報

全国最大規模の模試であるため、低学力層から超高学力層まで幅広く受験する。受験者数はかの英検も凌ぐという。
大学受験科生は、公開模試(全統記述、共通テスト、プライムステージ、大学別オープン)を、東大・京大・トップ医進コースは年13回、その他国公立コースは年12回、その他私立コースは年10回追加料金不要で受験できる。
各模試の特徴などは年間スケジュールも併せて参照のこと。


河合塾の模試について

特徴

  • 大学受験模試のスタンダード。受験者の規模は年間のべ300万人近くである。
    • これは、代ゼミ・駿台・ベネッセ等の模試だけでなく、TOEIC(年間171万人)、英検(年間250万人)を上回り、国内の各種試験の中で最大の規模を誇る。
  • 全体として問題の質は良く、母集団も他の模試と比べ最も本番に近い構成であることから、偏差値や判定はかなりの正確性を持つといえる。
  • 河合塾生(大学受験科生,高校グリーンコース生,MEPLO生など)は塾生の特典として模試の無料受験がある。
    • 大学受験科においては河合塾模試における太字の7つの模試は必須受験模試である。それ以外は選択模試として基本的に5つまで無料。申込み方法は一般生と異なっており,チュートリアルでの指示に従って手続きをすることになっている。。あらかじめ計画を立てておくこと。
    • コースにおける特定大のコースによっては特定大オープンも必須となっている場合がある。
    • 高校グリーンコースにおいても,塾生の特典として模試の無料受験がある。申込み方法は一般生と異なっており,独自のウェブサイトで処理を行うことになる。無料受験の回数は学年によって決められており,必須受験模試と無料受験を申請する必要がある模試に分けられている。あらかじめ計画を立てておくこと。
    • なお、模試の申請(特に必須模試)に生徒の失念等のトラブルが起きた場合は速やかに所属先の校舎に問い合わせよう。大体の場合は解決する。
  • 成績は、塾生は模試ナビのPDFなどによって開示される。
    • 2021年度までは模試の成績は受験後のチュートリアルで紙で返却され、校外生は学校もしくは自宅に郵送で返却されるものだった。
  • 大学受験科の全統模試では各クラス毎の成績上位者一覧が廊下に張り出される。
  • 全統模試の受験後には「スクーリング」が実施される。
    • スクーリングとは解説講義のこと。模試や科目によって、また校舎によって実施されない校舎もあるが、各模試の作成メンバーが解説しているので積極的に活用すべき。
    • 「模試ナビ」にて解説動画を視聴することができる。
    • 登録料は無料。復習に役立てよう。
  • なお、「即応」オープンとなっているものはZ会と共催で、答案返却の時に「フォローアップ添削」なるものが英数に関して付いてくる。オープンの類題的な感じで、自分のできなかった問題に応じてどれをやるか指定される。出せば、添削されて帰ってくる。
    • 2021年時点でZ会共催の模試は無くなった。(大人の事情)
  • X(旧Twitter)上では、全統模試やオープンの模試を販売している業者が多数いる。業者から購入した模試の問題や解説によって不正が可能(いわゆるネタバレ)。ぜひとも取り締まってほしいところである。ネタバレした成績でコースに入れたりもするが、当然自分のためにならない。
    • また、学校や地区によっては模試実施日が違うので、受験がまだの人はXを見る際は注意しよう。

心構え

  • 模試の前夜は早めに就寝して,睡眠を十分にとること。
  • 全統共通テスト模試,全統記述模試,全統プレ共通テストなどについて,大学受験科の実施日は,公開実施日(現役生・一般生)と異なることがあるので,「塾生手帳」や「塾生マイページ」などで日程を確認しておくこと。
  • 自己採点のために,問題冊子にも答を記すのを忘れないようにしておくこと。
    • なお、事前実施(公開実施日前)の場合には,問題冊子は回収され,解答・解説集とともに後日のチュートリアルで渡されることになる。
  • 高校3年生と大学受験科生にとって一番重要な模試は、第3回全統共通テスト模試第3回全統記述模試及び秋期の各種オープン(志望校のオープンがあるものは後者、無いものは前者)である。基本的に全ての模試は共通テスト模試、記述模試、オープンにかかわらず回を追う毎に難易度は高くなり、また本番の難易度に近くなるように作問されている。
    • 秋期オープン模試に関して言えば志望者のほとんどが受験するため、そこでの判定がほぼそのまま合否に表れる。
    • ほとんどの人が上記の模試の結果によってチューターと志望校を決定するのでかなり重要。
  • 共通テスト2日目の翌日にある採点チュートリアルによって共通テストリサーチが行われ、共テ模試同様、判定やボーダーなどが明らかになるが、第3回全統記述模試はその際の判定材料となるので、オープンがある人も第3回全統記述模試は重要。
  • とにかく、10月から11月の模試ラッシュに一旦ピークが来るように調整することが、合格への重要な足掛けとなる。
  • 模試の返却時には原則としてその模試における作問者による講評や各問題の正当率等が詳細に記載された "ANTENNA" ないしはそれの類書が成績書と同封される。「簡単な内容の筈が出来が悪い問題」等についても事細かに言及されているのでしっかり読んだうえで今後の学習計画を立案、修正していこう。

余談

河合塾の模試では、作問開始から採点に至るまで様々な話題があり、メンバーの先生方よりその裏事情が明かされている。模試を受けるか否かのモチベーションアップになれば幸いだ。

  • 各模試には、メンバーと責任者であるチーフが存在する。
    • 全統記述模試や全統共通テスト模試、京大オープンなどのメンバーは、東大京大コースなどを担当する実力あるベテランが多い。チーフはたいていエクシードを担当している。
    • 最近では、世代交代も進み中堅講師のチーフも増えている。
  • 作問は各科目ごとのチーフを筆頭とした複数のメンバー講師による分担作業であるとは言え、その一連の作業はとにかくハードなのだそう。
    • 作問メンバーの講師は某所での缶詰状態の作問と、その後の会議での修正を繰り返されることとなる。なお、作問が終わるまで元の場所へは帰れないのだそう。
    • 仮の作問を終えた講師は作問会議を実施し、問題で問う内容や、問題文の選択肢の校正と調整を行う。誤植の訂正は勿論のことだが、不正解となるポイントにも修正が迫られると言う。
  • 記述式の模試では、模擬試験実施後に作問者やチーフ総出で採点会議が行われる。
    • 記述式答案の微妙な表記のみならず解答欄の外に出た文字や解答欄外の落書きでも先述の会議の議題になるので「絶対に変なことを解答用紙に書くな」と嘆願する人も。
  • 模範解答・解説が掲載された冊子である「学習の手引き」は「とても凄い人」が書いているのだそう。
  • ある講師曰く「解説は作問者が死ぬ気で書かれたものなのでとにかくしっかり読んでくれ」とのこと。



各模試の概要(実施月別)

4月

  • プライムステージ
    • 毎年4月ごろの実施である。4月という時期もあってか、有名進学校からの受験があまり多くないことや、高卒生がそれほど受験しないのでやや受験者数は少なめの印象を受けるが、試験問題の質の高さとレベルはさすがハイレベル模試という印象を受ける。
    • 数学では、理系の場合数学?まで範囲となり、理系数学と文系数学に分かれている。理系数学は大問が5つある。
    • 理科は、時期を考慮してか範囲は少なめで、例年物理であれば力学・波動まで、化学だと有機化学は試験範囲にならない。理科は比較的偏差値が高めに出やすい。
    • 駿台全国模試のように理不尽な難問が出ることは少なく、優しくはないが決して容易には高得点が取れない良問が数多く出題される試験、という印象である。
    • 医学部志望は偏差値55程度で地方医、60程度で単科医が目指せるレベルらしい。

5月

  • 第1回全統共通テスト模試
    • 時期もあってか高卒生はかなり判定は出やすい。さらに化学は理論のみ、物理は電磁気や原子分野が入っていないので、かなり簡単。この模試が一番偏差値が良かった模試にならないようにしよう。

  • 第1回全統記述模試
    • 東大京大志望の高3ならば、全統で良い点を取ろうというのではなく(高得点、高偏差値はむしろ当たり前で)、大学オープン模試を視野に勉強すると良い。全統模試は苦手分野の発見や克服には役立つ。
    • 校舎毎の全統模試の平均成績順位をみると、東大、京大クラスは今年度(2023)医進館エクシード≫京都校アド>神戸三宮アド>医進館アドの並び。
    • 国公立大理系クラスは今年度(2023)京都校>天王寺校>神戸三宮校>大阪校>上本町校の並び。
    • 英語科講師によるとこの模試の英語の大問?(英作文パート)で最低30点以上取れていない場合は冠模試での英作文の点数は見込めないそうだ。心して挑もう。

7月-8月

  • 第2回全統共通テスト模試

  • 第1回東大入試オープン
    • 英語は駿台の東大実戦に比べて難しく数学は簡単で、悪問が混ざっていると言われている。
    • 作問は本郷の東大プロジェクトであり、関西の講師陣は作成に関与していない。

  • 第1回京大入試オープン
    • 京大受験者のみならず、多くのトップレベル生の一つの目標となる模試である。
    • 受験者数もさることながら、何よりも主力講師陣が力を尽くして作成した良質な問題が特徴。その良質さは他予備校(S台の京大実戦など)を凌駕するといわれる。……と河合塾wikiの建前上、一応の礼賛はしておいたが、どちらも良問揃いなので実戦と良い勝負をしており、正直どちらの方が良い模試かを判断するのは各々の好みに分かれるというのが現実だろう。ただし英語の解答解説、中でも英作文の採点基準に関しては本当に詳細で他の模試の追随を許さない。これはガチ。
    • 刀禰先生などの苦労話からいかに講師陣がこの模試に注力しているかが分かるであろう。
    • かつては8月下旬に行われていたが、8月上旬に繰上げされた。時期的な事情もあり(教務曰く)京大本試験レベルよりやや易しめを意識しているらしいが、実際は本試以上の難易度に化けることもザラ(特に英語・化学)。英語は本試験よりも頑張り気味(やや難)に作成しているらしい。ただ、第2回と比べて難易度も低く、出題範囲も狭いため判定は出しやすい。
    • ここでいい判定を出しておけるかどうかは、秋の精神的コンディションに大きく関わってくる。毎年数回分の過去問を収録した問題集が発売される。特に英語の解説がきめ細かい。河合塾関西地区英語科のトップ講師の総力を結集した解説は圧巻の一言。英語は、他の地区のどの大学のオープンの過去問の解説よりも、精緻で詳しいので、河合塾関西地区の英語科の層の厚さが分かる。逆に数学は、過去に京大や他大学で出題されたことのある典型的な問題の類題も出題されるが、傾向を踏まえた目新しい問題も多い。
    • 問題の質は非常に良いものの、本試験では2日かける内容を1日に詰め込んで実施するため、時間割が過酷なことで知られている。時間割の詳細は河合塾の公式HPを参照。

    • 作成メンバー〈チーフ〉敬称略
英語 江本祐一〉、刀禰泰史佐野光宜島原一之、法山郁雨
数学 西浦高志〉、藤田貴志藤野真也瀬戸山義治
物理 瀧澤和樹〉、別宮先生、吉田先生、高橋先生
化学 大西正浩〉古川先生、、小松先生
生物  
地学 松永先生 ほか
現代文 新井先生、中田先生、中崎先生、山本先生
古文 山?瑛二〉、山本まさと
日本史 安田先生、宮本先生、木村先生
世界史 井上先生、影山先生
地理  


  • 第1回 東北大オープン
    • 廃止済み
  • 第1回 名大オープン

9月

  • 第2回 全統記述模試

10月

  • 第3回 全統記述模試
  • 第3回 全統共通テスト模試
    • この模試の結果(と志望大学にOPがある場合)大学別模試で進路面談が行われるので頑張りましょう。東大京大医学部を受ける人にとって、難易度は低い(と感じられるようになっていないといけない)。
    • 東大京大に関しては判定は当てにならない…と思われがちだが実は冠模試の判定よりもこっちの模試の判定の方が、微かにだが合格率との相関が高い。
    • 京大OP作成メンバー(英語)の某師は「OPで低い判定を1回取っても全統記述で安定して偏差値が70を越えてるならその回は事故と捉えて良い(ただしこれがOPで低い判定を取ることの免罪符とは当然ならないので、注意が必要)」とおっしゃられる。
    • 要するに、油断せずに挑め、ということだ。

  • 早慶レベル模試
    • あくまでも早慶”レベル”の模試のため、全ての学部の傾向に一致しているわけではない。代ゼミの早大プレ(第3回共テと被っている)、慶大プレの方が本番に近い。(こちらも完全一致ではないが河合塾よりマシ、受験者が少ないのが難点)
    • 難易度がかなり高めに設定されており、6割を超えるとかなり上出来であるらしい。理科は早稲田理工の形式に似ている。
    • 英語はSFC、早稲田社学、慶應経済などを混ぜたような感じ。数学は穴埋めと記述式。

11月

  • 全統論文模試

  • 第2回 東大入試オープン

  • 第2回 京大入試オープン
    • 毎年、ワザと駿台の阪大実戦模試と被っている(どちらかが折れてほしいもの)。
    • 第1回と違い全範囲から出題されることや、難易度にも手心が加えられることがなく高難易度の出題となる(毎年英語・化学が鬼の様に難しい)。また、第1回と違い、純粋な京大志望者が集結する模試なので、平均点も上がり判定は出しにくくなっている。
    • 第2回ということもあってか、第1回と比べると「成績優秀者」の掲載人数は多い。一つの目標として頑張ろう。
    • 作成メンバーは第1回京大オープンを参照。

  • 阪大入試オープン
    • 阪大コースのみならず京大コースの生徒も相当数受ける。そのせいか、「成績優秀者」の一覧には医学部医学科の判定ラインは非常に厳しく例年A判定は20名弱しか出ない(偏差値80弱)
    • 阪大の形式やレベルを知り、実際に受ける学校を決めるためにも有用なので、他コースの生徒も受ける意味はあるだろう。
    • 2023年(2024年度版)から大阪大学オープンの過去問も販売するようになった。他には北大、神大も追加され、名古屋大は理科が追加された。大阪大学オープンの数学の前書きは大竹先生が執筆。
    • 物理において、原子分野からの出題がされたことは、過去一度もない。これは、高3生の学習進度を鑑みてのものである。ただし、阪大は珍しく原子分野からの出題が多い大学であるため、阪大オープンや紫本に出ないからと言って、対策をを怠ってはいけない。
作成メンバー〈チーフ〉
英語 片山先生、胡摩?先生
数学 堂前先生、宮崎先生、馬場先生、涌谷先生
物理 山田先生、別宮先生
化学 古川先生、西先生
生物  
現代文  
古文  
漢文  
世界史  
日本史  

    • ちなみに、数学の影平先生は作成メンバーではないが、問題のチェックメンバーの1人らしい。


  • 神大入試オープン

作成メンバー〈チーフ〉
英語 島原先生
数学 木村先生、宮本先生、瀬古先生
物理 山田先生、別宮先生
化学 西先生
生物  
現代文 中崎先生
古文  
漢文  


以下のオープンの詳細は河合塾wikiを参照

  • 北大入試オープン
数学 福井先生
    • 地方の医学部が志望の生徒であれば受けるように勧められることがある。医進館の生徒は天王寺校まで行かなければならない。

  • 第2回東北大入試オープン
数学 木村文彦先生、今野先生

  • 東工大入試オープン
数学 刈谷先生(香坂先生、広瀬先生)
英語 仲野先生

  • 一橋大入試オープン
数学 飯田先生

  • 第2回名大入試オープン
数学 吉崎先生、笠岡先生、西畑先生
英語 金井先生、山下(博)先生

  • 広大オープン
2022年度をもって廃止。
数学 樋原先生、森本先生
英語

  • 九大オープン
数学 野竿先生、吉浪先生(オレンジ)
英語 矢次先生

  • 全統医進模試
2020年をもって廃止。
数学 広瀬先生(西山先生、福井先生、黒田先生 (過去には藤田先生も))
英語 小森先生(江本先生、矢次先生)


  • 全統共通テストプレテスト
1年を締めくくる模擬試験となる。第3回マークと比べると難易度は比較的落ち着いている。…が、最後にお尻を叩いてやろうということで問題作成陣が無慈悲なまでに本気を出し、その結果平均点が大幅に下がる教科が現れることがある(例…2023年度の化学。平均点は35点台で、大受化学Tの類似問題が多数あるなどかなり無理のある設定であった)。

12月

冬期講習の一部という位置づけであり、外部生も受験可能。昔は対面での解説が付いていたが、現在は映像での解説であり、更に値上げされた。さらに、リスニングでは個人にICプレイヤーは配布されない。河合塾イチのボッタクリ模試。

  • 最終更新:2024-03-06 17:34:16

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